【アルバムレビュー】Oasis - 『What’s The Story)Morning Groly?』(1995)後編
普通に忘れかけてた。
What's the Story Morning Glory
- アーティスト: Oasis
- 出版社/メーカー: Imports
- 発売日: 1995/10/03
- メディア: CD
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以前公開した前編に続いての内容です。
7曲目 「Some Might Say」
来たよ僕らのロックンロール。
別に僕はオアシスの世代ではないから僕らのって言っちゃ語弊があるけど。
ちくしょー、いいよなこんな素晴らしいロックバンドと青春を過ごせた人は。
この曲からはギャラガー兄弟の成り上がり精神というか労働者階級ならではの感情が歌詞に表れてるんだと思うよ。
「誰かは言うかもしれない。俺達にはもっと輝く日がやってくるんだと」
オアシスに人々が共感し、熱狂してしまう理由はノエルの曲やリアムの声、アルバムの素晴らしさだけでは無くてバンドのストーリーや立ち振る舞いも何もかもが完璧なんだからよね。
別に大暴れすることだけがロックスターじゃないけれど、おとなしくなった今のロックバンドに比べたらジャスティン・ビーバーの方がある意味ロック。
この曲のもう一つの聴きどころはこのアルバムで唯一オアシスのオリジナルメンバーであり、前ドラマーのトニーがドラムを叩いてることかな。
アランのドラムになれてたら急に音が変わるから一瞬でわかると思う。
トニーが「Wonderwall」を叩いてたらあれほどの名曲に成り得なかっただろうね。
Oasis - Some Might Say - Official Video
8曲目 「Cast No Shadow」
The Verveのリチャード・アシュクロフトにささげられた曲。
なんて美しい曲なんだろう。
1995年ごろのノエルはどんな曲を書いても名曲だし、リアムはどんな曲を歌ってもその声があればそれだけでいいと思わせてくれる。
名曲ぞろいのこのアルバムの中では地味な存在だけどまーじで良いから。
もう美しすぎて・・・・。
この曲はライブバージョンが非常に良いのでそれだけでも聴いてください
↓は伝説のネブワース公演の中でもかなり画質が良くて出回ってるやつですね
Oasis - Cast No Shadow (live Knebworth Park,UK,Europe 10.08.96)
9曲目 「She’s Electric」
タイトルはあれだけど歌詞がめちゃくちゃ良いんだよ。
なんてことない歌詞でいたって普通なんだけど、訳し方によっちゃかなりヤバい意味にもなりかねないところが好きだね。
どっちの訳し方も好きだけど、好意的に受け取る方が個人的には好きかな。
ノエルの歌詞もこのアルバムでは本当に魅力的。
1番好きなフレーズは「I'll be you, and you'll be me」ってとこ。
曲調もポップで良いんだけど、僕はこのアルバムを日曜の朝に聴くのが1番シチュエーション的に好きなんだけどその状況にピタッと合うんだよ。
リアムの声がすごい良く似合うナンバーではあるんだけどライブではほとんどノエルが歌うんだよね。
絶対リアムの方が合うと思うんだけど・・・。
リアムがノエルのこういう歌詞を歌うからギャップみたいなのがあっていいじゃんね。
Oasis - She's Electric (Lyric Video)
10曲目 「Morning Groly」
このアルバムで1番ヘヴィなナンバーかな。
イントロのギターからの盛り上がりがヤバいよね。個人的にはライブバージョンのコードから始まるのも好きだけど。
外国のライブなんかではギターのところもみんなで合唱するくらい。
この頃のオアシスは圧倒的な力があるように感じるし、この曲からは当時のオアシスの勢いが感じられる。
サビの「ウェーーーーーーーーーール!」ってとこはライブでは基本的にノエルが代わりに歌ってるんだけど、アルバムが発売される前とか直後のライブまではリアムがその部分は歌ってるんだよね。
特に1995年のロスキルド・フェスティバルでの「Morning Groly」は形容しがたい素晴らしさなのよ。
一応このアルバムの20周年記念エディションに収録されてはいるんだけど、それはなんか編集されてるから凄さをあんまり感じないんだよ。
音質最悪のファンカムの足元にも及ばなかったのは残念だわ。
Oasis - Morning Glory - Roskilde 1995 (10)
↑がロスキルドのファンカムなんだけど本当に身震いするほどすごいし、リアムの声が神がかってる。というかもう神なんじゃないかって声をしてる。
ロックスター然とした立ち振る舞い、でも服は労働者階級のまま。
そんなリアムによく似合う曲である。
今でもリアムのソロだと1曲目「Rock′n Roll Star」からの「Morning Groly」だしね。
PVもお気に入り。
Oasis - Morning Glory (Official Video)
画質悪い方のバージョンしか貼れなくてごめんね。
11曲目 「Untitled」
2度目のインスト曲ですね。
短いですが激しい「Morning Groly」とアルバムラストの曲であり7分を超える大曲の「Chanpagne Supernova」を繋ぐ良い働きをしていますね。
12曲目 「Champagne Supernova」
遂にアルバム最後の曲になってしまいました。
このアルバムが名盤と呼ばれる所以は収録曲がどれも素晴らしいのはそうなんだけどアルバムの構造も本当に素晴らしいんからだと思うんだよ。
「Hello」で始まりロックスターの一生を歌う「Champagne Supernova」で終わる。
まるでオアシスというバンドがわずかな年月で得た栄光と堕ちていく過程がこのアルバムからどうしても感じ取れてしまずにはいられない。
もちろんリアルタイムで聴いていた人には未来のオアシスがどうなるかなんてわからなし、後追いで聴いてるからそんなこと思うんだけどさ。
話がずれたけどこの曲は7分半もの大曲で一言でいうとサイケデリックな感じ。
僕は基本的に長い曲は嫌いだし、アルバムも長いのは苦手。
けど、今まで聞いてきた曲の中では7分を超える曲の中では1番この曲が好きだと断言できる。
「Hey Jude」よりも好き。
歌詞はいつも通り意味が読み取りづらいんだけど、それこそがこの曲のサイケデリックな感じを表してるというか。
まあ、この曲は素晴らしい。別格。
誰がこの曲の素晴らしさを否定できるんだろうってくらい。
本当にノエルは天才だ。今の世の中で誰がこんな曲を書けるんだ。
これ以上は言葉に出来そうも無いのでとりあえず曲を聴いてほしい。
オアシスが解散してからここまでストーリーを持ったロックバンドは出てきただろうか?
ここまで世界中の人の心をつかんだロックアルバムが出てきただろうか?
オアシスには労働者階級から成りあがるという人々が共感しやすいサクセスストーリーや人間味あふれた兄弟の性格、リアムの天性の声、ノエルの素晴らしい曲、ジャージを着てのライブパフォーマンス、ビートルズのような伝統的なブリティッシュロックサウンドがあった。
ここまで完璧で、人の心を打つロックバンドはもう出てこないかもしれない。
音楽的にオアシスより素晴らしいロックバンドは多くいるかもしれない。
レディオヘッドなんかはその最たる例だろう。
でもこんなに世界中の人から愛され、人々を熱狂させるロックバンドはオアシス以降未だ出てきていない。
アークティック・モンキーズとかはそれに近い存在ではあるけれど。
僕は過去に戻りたいなんてほとんど思わないけど90年代のロックは是非体験してみたいと思う。
あと2003年のサマーソニックかな、過去に行ってみたいなんて思うのは。
クイーンみたいにいつか世界的に再評価されないかなあ。
それだけのポテンシャルはオアシスにはあるはず。
↓アナログ盤のみ収録の「Bonehead’s Bank Holiday」。これもすごい良い曲。
Oasis - Bonehead's Bank Holiday