今、世界で人気のあるロックバンドとは?
世界に置いて行かれないように。
久しぶりにまともなブログ記事。
自己満足の極みということで頑張ります。
自分はSpotifyの世界ランクというのを調べてて、それをまとめてブログにあげるって作業を毎週してるんですけど、何で僕がこんなことを3時間くらいかけて日曜日にやっているかというと、僕の大好きなロックが世界でどういう立ち位置なのかということを知りたいからなんですね。
全米チャートとか全英チャートも毎週チェックしてますけど、年々ロックが置かれている状況は厳しくなっていると思います。特にアメリカ。
そんななかで、音楽を聴くという行為がフィジカルからデジタルへ、そしてストリーミングへ、と移り変わってきて、ロックバンドがどれだけストリーミングで聴かれているのかということを考えるようになりました。
フィジカルを含めたセールスでは去年のTOOLのように、まだまだロックは存在感がありますが、そんなのではロックが本当にどれだけ世界で聴かれているのかはわかりません。
そして、今回は僕が毎週まとめている、Spotifyの世界ランキングトップ500の中にランクインしているロックバンド(インディ、オルタナ等も含む)を探っていき、ロックの世界での立ち位置と、どのロックバンドが世界で人気なのかを明らかにしていきたいと思います。日本ではあまり知られていないロックバンドもこの記事を見ることで「こういうバンドが世界で人気なんだ」と興味を示してもらえれば大変うれしいです。
初めに、Spotifyの世界ランクの説明をしておきます。
Spotifyの世界ランクは1ヶ月のリスナー数によってランク付けされ、1日に1回(恐らく)更新されます。
あくまでSpotifyの今月のリスナー数を基にしているので、性質上シングルヒットがあるかないかで順位がかなり左右されちゃう面もあるんで、完璧なランキングでは無いし、対象がSpotifyだけなのでApple Musicとか他のストリーミング・サービスを使ってる人とかは対象にならないんで、参考程度なものと思っといてください。
まあ、Spotifyは音楽ストリーミング・サービスの世界シェアNo.1ですし、世界の音楽ストリーミング・サービスを使用している人の3分の1ちょいがSpotify使用者らしいですからストリーミングのランキングでは一番信用できると思います。
今回は2月16日時点でのSpotifyの世界ランクを基に、この記事を作成していきます。
では、まず1位から100位までにランクインしているロックバンドを見ていきましょう。
13位 Maroon 5
36位 Coldplay
37位 Imagine Dragons
40位 Queen
78位 Panic ! At The Disco
80位 OneRepublic
95位 Bastille
99位 The Beatles
Spotifyの世界ランク100位の中に9つのロックバンドがランクインしました。
ビートルズやクイーンから5SOSまで幅広いですが、ワンリパブリックやバスティルといったデカいシングルヒットを当てたバンドも入っています。
マルーン5はロックバンドとしては最上位で、シングル『Memories』のヒットで結構高い順位にいますね。
個人的にPATDが入っているのが嬉しいです。
Panic! At The Disco - High Hopes (Official Video)
次に101位から200位までです。
124位 Fall Out Boy
136位 Linkin Park
142位 AC/DC
149位 Gun's N' Roses
153位 Green Day
162位 The Rolling Stones
177位 Twenty One Pilots
178位 Bon Jovi
190位 Fleetwood Mac
101位から200位までは上の10バンドがランクイン。
フォール・アウト・ボーイが上位に来ているのがポップ・パンクの世界的な人気の高さを物語っています。
レッチリ、リンキンと続いて、スモール・イン・ジャパンで有名なAC/DCがガンズよりも上位にランクイン。
新作を出したばかりのグリーン・デイ、ローリング・ストーンズと続き、この順位帯では若手では珍しくTwenty One Pilotsが入っています。
Twenty One Pilotsは日本ではあまり知られてはいませんが、海外のフェスではヘッドライナー級のバンドでYouTubeの再生回数も約20億回の曲もあるなど、ロックが逆風の中、存在感を示しているバンドです。
twenty one pilots: Stressed Out [OFFICIAL VIDEO]
日本でもおなじみのボン・ジョヴィがTwenty One Pilotsのすぐ下に来て、190位にフリートウッド・マックが入っています。
日本ではなじみのない名前ですが、アメリカやイギリスのチャートを追っかけていると必ず目にするアルバム『噂』で有名なロックバンドです。
← このジャケ写見たことないですか・・?
全英アルバムチャートではトップ100に現在まで824週チャートインしており、今週も元気に31位にランクインしている化け物アルバムですね。
日本に住んでいる自分としては、毎週必ずチャートにいる人達という印象しかなかったですが、欧米圏では若い人でも知っていて当たり前の存在という声も見かけます。
自分がスペインに行ったときにホテルまでの送迎の車の中でイーグルスとともにラジオから流れていたのがフリートウッド・マックでした(多分クラシック・ロック系の放送局だと思いますが)。
そのときにフリートウッド・マックの影響力の高さというか、『ホテル・カリフォルニア』と並ぶくらいの位置なんだということをちょっとだけ肌感覚で理解できましたね。
正直、日本でフリートウッド・マックがロック名盤みたいなリストであんまり目立ってる印象無いですよね(笑)。ディープ・パープルとかキング・クリムゾンの方が日本では全然知られているかもしれません。
続いて201位から300位。
201位 Metallica
221位 U2
223位 The Script
227位 The Police
228位 David Bowie
233位 Aerosmith
239位 Nirvana
243位 Led Zeppelin
249位 Oasis
259位 The Killers
264位 Pink Floyd
271位 Eagles
275位 Train
276位 Arctic Monkeys
278位 Bryan Adams
281位 Creedence Clearwater Revival
290位 Tame Impala
296位 TOTO
299位 Avril Lavigne
メタリカ、U2、ポリス、デヴィッド・ボウイ、エアロスミス、ツェッペリン、ピンク・フロイド、イーグルス、ブライアン・アダムス、TOTOといった80年代以前の大物ロックアーティストが名を連ねているブロックですね。
90年代以降のオルタナティブ・ロックではニルヴァーナ、オアシスと米英のビッグバンドがやはり多く聴かれています。
00年代からはキラーズとアークティック・モンキーズですが、日本の感覚からするとキラーズの方がアークティックより上というのが面白いです。
スクリプトやトレインといったポップ・バンドもランクインしています。
281位のCreedence Clearwater Revivalは「まさかこんなに人気があるとは」と、このランキングを集計していて一番驚いたバンドの一つです。
『Have You Ever Seen The Rain ?』などで有名なサザンロックのバンドですが、活動期間とかすごく短かった印象があったので意外でした。
こういうのがあるからチャートを調べるという行為は面白いんですよね。
そして特筆しないといけないのが290位のテーム・インパラです。
2010年代にサイケデリック・ロックをやるバンドとしては異常なまでに人気が高いバンドです。
ロック不作と言われ続けたこの10年でしたが、だからこそテーム・インパラのような貴重な存在を日本で見逃さないようにしないといけないと思います。
特にインパラに関しては一部の音楽好きが騒いでるみたいなレベルでは無く、フェスのヘッドライナーで当たり前みたいな雰囲気をもっと出していかなければ、アーケイド・ファイアやキングス・オブ・レオンの二の舞になりかねないです。
Tame Impala - Lost in Yesterday (Official Video)
299位には5月に来日予定のアヴリル・ラヴィーンが入っています。
301位から400位です。
312位 Radiohead
316位 Bob Marley & The Wailers
316位 Journey
318位 Foo Fighters
321位 Blink-182
323位 Elvis Presley
334位 Bruce Springsteen
335位 Gorillaz
346位 Foster The People
349位 Lukas Graham
351位 The 1975
353位 Dire Straits
355位 Pearl Jam
364位 Paul McCartney
376位 Bee Gees
380位 R.E.M.
382位 Lynyrd Skynyrd
387位 Eric Crapton
388位 The Lumineers
391位 The Cure
400位 The Cranberries
新旧入り混じっている感じですね。
まずは90年代以降、最も重要なロックバンドであるレディオヘッドが312位。
大衆性と優れた音楽性を兼ね備えた孤高のロックバンドですね。
ボブ・マーリー、ジャーニーと続いて、フー・ファイターズとブリンクがランクイン。
エルヴィス・プレスリーもすごいですね。Spotifyの世界ランクで50年代から活動していたアーティストなんてこの人を除いてほとんどいないと思います。
去年出したアルバムも良かったブルース・スプリングスティーン、新曲を出したばかりのゴリラズもしっかりランクインしています。
ゴリラズの後ろにフォスター・ザ・ピープルとルーカス・グラハム、The 1975が来ていますが、2010年代のバンドの名前を見ると嬉しくなりますね。
The 1975は去年のサマソニでもトリ前で素晴らしいパフォーマンスを見せてくれましたし、スタジアムもほぼ満員だったので日本での人気もかなり上がってそうです。
The 1975 - Give Yourself A Try
353位にDire Straitsが入って、その後ろにパール・ジャムですね。
パール・ジャムはニルヴァーナと並んでグランジを代表するバンドなのですが、日本ではあまり知られていない、スモール・イン・ジャパンなバンドですね。
最後の来日公演が2003年で、今年は新作を3月に出すことが決まっているので、17年ぶりの来日を期待したいところですが、どうなんでしょうか。
僕はパール・ジャムだと、『Vs.』というアルバムが好きです。
300位台後半にはビートルズに続いてのポール・マッカートニー、銅像やら伝記映画とかが最近話題に挙がっているビー・ジーズが来ています。
そして380位にR.E.M.。もう解散してしまって10年ほど経ちますが、それでもこれだけ世界で聴かれているのは凄いですね。
382位のレーナード・スキナードはUK偏重な感じの日本ではあまり名前が出ないバンドですね。その次にエリック・クラプトンが入ってきています。
388位に昨年、フジロックで来日もしてくれたルミニアーズが入っています。
マムフォード & サンズなんかと同じ時期に世界的にヒットしたバンドで、アメリカだとフェスのヘッドライナー格のバンドですね。アメリカでの人気が高いバンドです。
キュアーとクランベリーズはシングルヒットが複数あるのが強いですね。安定してこの順位帯にいます。
続いて401位から500位です。
402位 Kings Of Leon
409位 Florence + The Machine
413位 a-ha
416位 Paramore
417位 Nickelback
421位 Muse
424位 Weezer
428位 The Offspring
429位 System Of A Down
434位 Rex Orange County
438位 Bob Dylan
440位 The Clash
445位 Van Halen
448位 Van Morrison
452位 Prince
455位 The Beach Boys
471位 Santana
473位 The Doors
482位 Chvrches
488位 Scorpions
495位 KISS
499位 Mumford & Sons
499位 The White Stripes
402位と409位に早速来ているキングス・オブ・レオンとフローレンス・アンド・ザ・マシーンは少し考えなければいけないバンドですね。
テーム・インパラのところでも書きましたが、2010年代はロック不作の時代でしたから、フェスのトリになるレベルのロックアクトが少ないんですよね。サマソニやフジロックのヘッドライナーもロックに関しては90年代以前や00年代前半のバンドばかりヘッドライナーをやっている状況でした。
では、2010年代の海外のフェスのヘッドライナーはというと、日本と状況が全く違うわけではありませんが、日本ではあまり知られていないような若手のバンドがフェスのトリになっています。
その筆頭がキングス・オブ・レオンとフローレンス・アンド・ザ・マシーンですね。他にもキラーズやブラック・キーズ、マムフォード & サンズなんかもそうですが。
キングス・オブ・レオンは2007年から来日してませんし、フローレンスも1回だけかな、来日は。
キングス・オブ・レオンはまだ可能性はありそうですが、フローレンスは当分来日はなさそうですね。
このような海外との人気格差を繰り返していては取り返しのつかないことにもなりかねないです。スモール・イン・ジャパンとか言ってる場合じゃないですね。
Kings Of Leon - Use Somebody (Official Music Video)
413位のa-haは’’Take On Me''があるのが強いですね。その下のパラモアとニッケルバックは大衆人気が高いバンドです。
421位と424位にはMuseとWeezerというお馴染みのバンドが入っています。Museは新作のツアーで日本に来てくれなかったのが気になります。
428位と429位にオフスプリングとシステム・オブ・ア・ダウンですね。ハードな音を出すバンドは世界共通で人気がありますが、システム・オブ・ア・ダウンは何年も新作を出さずにこの順位ですから凄いっちゃ凄いんですが、そろそろ新作出してほしいですよね。作りたくても作れない状況らしいですが。
434位は入れるか迷ったんですが、是非知ってもらいたいという思いも込めて載せました。インディー系SSWのレックス・オレンジ・カウンティですね。ジャンルとしてはインディー・ポップとかでバンドでもないんであれなんですけど、インディー期待の新星なんで、これからフェスでも上の方で名前を見ることがあるかもしれません。
レックス・オレンジ・カウンティより下は、古い世代が多いですね。
ボブ・ディラン、クラッシュ、ヴァン・ヘイレン、ヴァン・モリソン、プリンス、ビーチ・ボーイズ、サンタナ、ELO、ドアーズ、スコーピオンズ、キッスですが、まあこのレベルはさすが世界的にファンが多いということでしょうか。
482位にエレクトロ・バンドですがフジロックとかサマソニでよく見かけると思うんで入れときました、チャーチズです。順位が下がってきているんでここ最近聴いてないって人は聴いてあげてください(泣)。
499位は同順位で、ホワイト・ストライプスとマムフォード & サンズです。
ホワイト・ストライプスはまあ妥当かなと思いますが、マムフォードが意外と下なんですよね。一時期ほどの勢いは無くなってますよね。
こういう感じで、83のロック・アーティストを見ていきました。
勢いタイトルにロックバンドと書いてしまったため、ラナ・デル・レイとかロードとかを書きそびれましたが(その割にレックス・オレンジ・カウンティは書いてますけど)、このランキングを見ていて日本での感覚とずれるところも結構あったと思います。
個人的に意外だった点を書いていくと、いくらグラミー賞をとってもベックやボン・イヴェール、アーケイド・ファイアなんかはこういうランキングには絡んでこないし、全米1位を取ったとしても、トゥールやジャック・ホワイト、ヴァンパイア・ウィークエンドなんかも名前はないんですよね。フィジカル重視なファン層ということもありますが。
あとは基本的にアメリカで人気なものがやっぱり強いですよね。イギリスではまだまだロックは強いけれども、世界となると負けてしまいます。ヨーロッパで強いデペッシュ・モードやラムシュタイン、スリップノット(アメリカでもチャート1位とってますが)なんかも名前が無かったですね。オアシスは例外ですが、Song 2というシングルヒットがあるにも関わらず、ブラーはありませんでした。日本だとブラーとパール・ジャムではブラーの方が絶対知名度ありますけどね。カサビアンとかもそうですね。
ロック自体がストリーミングと相性の良くないジャンルではあるけれども、やっぱりロック好きとしてはもう少しメインストリームに近くあってほしいものです。
ただ、大事なのは日本だけに目を向けるのではなくて、ロックに勢いが無い時代だからこそ海外の動向に敏感にならなければいけないってことですよね。
ちなみにもう少しでTOP500に入りそうなバンドとしては、マイケミやケイジ・ジ・エレファント、ストロークス、コーダライン、ウォーク・ザ・ムーンとかですかね。
自分はストロークスが大好きなんで是非入ってほしいですが。
この記事を見て、「聴いたことないけど、これだけ世界的に人気があるんだから聴いてみよう」となってくれたら嬉しいですね。