【今日のアルバム】小沢健二 - 『So Kakkoii 宇宙』 (2019)
リアルタイムで体験するオザケン。
1990年代といえば日本の音楽界ではビーイング勢や小室ファミリーなどが活躍した時代であり、空前のセールスを記録した邦楽の華の時代である。
さらにNUMBER GIRLやくるり、スーパーカーなどのいわゆる97年組や渋谷系など90年代は音楽性も高いアーティストたちがたくさんいた良い時代だったと僕は教えられてきた。
そんな音楽性も高く、結構一般的な人気もあったアーティストの一人がオザケンこと小沢健二だ。
小山田圭吾とのフリッパーズギターでも有名だが個人的にはソロの方が好きだし、一般的人気もそっちだと思う。
オザケンといえば当時は王子さまと呼ばれていたらしいけど今は普通のおじさまになったね。
同じく90年代の王子様といえばブラーのデーモン・アルバーンだけどこっちも今は普通の見た目になっちゃった。
小沢健二といえばあの90年代を代表する名盤『LIFE』だけど僕も好きな1枚だ。
『愛し愛されて生きるのさ』とか『ラブリー』とかめっちゃ好きで聴いてた時期が懐かしい。
確か3年前の今頃かな。違うか。2017年の1、2月くらいにオザケンが新曲出すってMステに出てたのを覚えている。
それがオザケンの新作、『So Kakkoii 宇宙』の2曲目に収録されている『流動体について』だ。
Ozawa Kenji - Ryudoutai Ni Tsuite (Lyric Video)
まず、びっくりしたのが声だ。これが今のオザケンか・・・ってなったのをよく覚えている。
そりゃ長い間音楽活動をしてなかったのだから当たり前だけど、ちょっとショックだったなあ。
あれから2年半以上たった今作でもその声は相変わらずなのだが、結構慣れてきたからもう驚きはないかな。ただ、声量が心配される時が結構あるのが・・・。
ただ、声は変わってしまってもその天才的なメロディーセンスは抜群だ。
『LIFE』のときみたいに名曲連発ってわけじゃないけれどあの時より大人になったオザケンってのを凄い感じる。
とても聴きやすいアルバムだし、そういう意味では『LIFE』より好き。
気づいたら終わってた。とても聴いてて気持ちよかった。
タイトルや収録されている曲の多くに「宇宙」というワードがでてくる。
オザケンといえば東大の文学部だったよね?ものすごく歌詞が評価されている人でもあるけど今作は読み取るのが簡単な歌詞ではなさそう。宗教、宇宙・・・。
東大ってマジですごいよなあ・・。僕も1年本気になって勉強したけど東大の姿がほんの少し見えてきた程度だよ。東京から見る富士山みたいな。見えてきただけ、夢じゃないって思えただけでも嬉しかったけど。
しかし、オザケンの歌詞ってなんでこんなにも曲とすごく合うのか。
別に言葉の当てはめ方があってるとかじゃなくてリズム的に合わない歌詞もそこそこ出てくるんだけど。
曼荼羅とか歌詞に入れてる人初めて見たぞ。
やっぱり、小沢健二の世界観が出せているからなんだろうなと無理やり納得する。
僕が小学生の頃、パソコンの画面から憧れ続けてきた90年代の本物のミュージシャンが2019年にあの頃と大きく変わらないクオリティで新作を出してくれた。
それが本当に感動的。オザケンの作ったアルバムをリアルタイムで聴ける感動。
本当に良いアルバムだと思う。
小沢健二『彗星』MV Ozawa Kenji “Like a Comet”