【今日のアルバム】Beck ‐ 『Hyperspace』(2019)
どうしたん、ベック。
コールドプレイと同日に発売されたベックの新作。
ベックと言えばグラミー賞の最優秀アルバム賞を受賞したり、前作の『Colors』もなかなか受けが良かったり、すっかり批評家受けの良いアーティストというか玄人好みの印象が強い。
なんでこんなことを言うかというと俺はベックの良さって最初はあんまりわからなかったからなんだけど。
『Loser』だけなんか好きみたいな。
グラミー賞を受賞した『Morning Phase』から段々と好きになっていって前作の『Colors』でやべえ、めっちゃ好きやこれってなった次第でございます。
ということでベックのファンになってからまだまだ2年程だけど、待ちに待ったベックの新作がやってきたぞ!
先ず、第一印象。ダサい。究極的にダサい。あ、ジャケットのことね。
コールドプレイはめちゃくちゃ良いジャケットだったのになんだこれは。
最初の方はカタカナのハイパースペースって文字は日本盤だけかと思ってたら世界共通でこれなんだよな。
レディオヘッドの『In Rainbows』の日本盤のダサさを彷彿とさせる。
もうそれ以上は何も言うまい・・・。どうした、ベック。
ひょっとして、去年のサマソニのあまりの動員の悪さに変なショック受けちゃったのかな。
それは本当にごめん。俺もあれはいたたまれなかったわ。また、新幹線乗りに日本来てよ。ついでに単独も。
まあ、大事なのは音楽の方だから。よし、聴いてみるぞ。
音楽の方の第一印象。ナニコレ。
思わずカタカナになってしまった。ベックさんってこんな方でしたっけ?
いや、ファン歴が浅いからか、うん・・・。
とりあえず、俺は好き。だけど、これ客観的に見たらどうなんだろうか。
何かめっちゃ無理に絶賛されてそう。でもそういうアルバムじゃない気がする。
なんか、ストロークスの5枚目の印象。俺はあのアルバムめちゃくちゃ好きだけどな。
言えることはアルバムに締まりがないというか、曲自体は良いのあるんだけど最後の『Everlasting Nothing』で無理やり締めてる感がする。
曲でいうと『Chemical』とか『Everlasting Nothing』は大好き。
先行曲が出てた段階ではツイッターではベックの新曲良いぞとか期待できるぞみたいな内容が多かった。
で、ツイッターを除いてみると予想通り絶賛の声はあったものの思ったほどでは無い。
ん、おかしいぞと思い、批評サイトとか一通り見てみると、なんとまあどういうことでしょう。罵詈雑言・批判の嵐がそこにはあるではありませんか。
何回「disappointed」って文字見ただろう。
いや、前作の『Colors』がボロクソに言われるのはまだわかるけど、今回は批判の内容自体があんまり賛成できないのが多い。
「ベックはもっと革新的であるべきだ」とか「なんでこんな古臭い音楽を現代でやってるの、恥ずかしいわ」とか「なぜ彼はこんなオールディーズなシンセポップを聴くのに時間を費やしてるのだろうか、彼は今まで、もっと良い音楽を聴いてたはずだろう」とか。
おいおい、ベックさん泣いちゃうだろ。ネットの声が怖くなって新作出さなくなったらどうしてくれるんだ。あのジャケットに対して言うのは許す。
とりあえず「古臭い」っていうのと80年代のポップ・ミュージックに対する潜在的な批判が多い気がしますねえ。
うーん。なんかみんなボロクソ言ってんだから俺も批判するぞ精神が透けて見える。
こういうの批評コミュニティサイトの欠点だよね。
ちなみにリリースされたばかりの段階ではCritic Score、雑誌とかの本物の音楽評論家たちの点数とかもかなり低かったけど、今見たらだいぶ持ち直してるね。
一般ピーポーの評価は相変わらず低いけど。
ほら、やっぱりわかる人にはわかるんだって。そんなに悪いアルバムじゃ無いって。
だけど、確かにグラミー賞を受賞した『Morning Phase』や名盤と名高い『Mellow Gold』、『Odelay』には遠く及ばないのは否めない。
ていうか今気づいたけどベックって良い作品しか無くね。他にも『Sea Change』とか『Midnight Vultures』とか。すごいね、これからはベック先生って呼ぶわ。
とりあえず、ネットの意見には左右されないってことを学びましたわ。
Beck - Everlasting Nothing (Lyric Video)