【今日のアルバム】カネコアヤノ - 「燦々」(2019)
最近、日本の音楽ってメインストリームもそうだけどリバイバルの流れ来ているよね。
90年代のヒット曲みたいにドラマタイアップで売れる曲が出てきたり、メロディーが過剰なまでに全面に出されてる感じ。
色んなバンドが出てきて面白いよね。
で、今回のカネコアヤノはどう考えても60年代や70年代の歌謡曲であったり、はっぴいえんどなどの影響がもろにでてるアーティストである。
下の動画なんか見てもらったら分かりやすいだろう
この曲は前作の「祝祭」のなかの一曲であるが、ミュージックビデオのデザインもあるもののその昭和感というかオールディーズな感じは楽曲からも受け取れると思う。
だけど、前作で面白かったのが上の「ロマンス宣言」ではイントロがストロークスの「Reptilia」じゃんってなったし、「アーケード」という曲ではどっからどう聴いてもニルヴァーナの「Smells Like Teen Spilit」のリフなところがあったりした。
それで、今回の「燦々」だが前作よりもバンドサウンドが強まったというか、歌謡曲の要素が少し薄まった気がする。
もちろん、歌謡曲からの影響は今作からも見受けられるし、なくなったわけではないのだがオリジナリティという面では前作よりも増したと思う。
前作と今作どっちが好きかと聞かれたら僕は後者の方が好きだ。
答えは単純で僕があんまり歌謡曲然とした曲が好きではないってことなんだけど。
だから、never young beachとかも苦手。数曲しか知らんけど。
今作は曲でいうと、「布と皮膚」、「ごめんね」、「セゾン」、「光の方へ」、「車窓より」とかが好きかな。
僕は歌詞よりも音重視なんだけど、「セゾン」の中の「雑に置かれた財布と鍵」ていうフレーズとか日常の何気ない情景を使ってなんとない愛を表現するのがすごい上手いなあって思う。やっぱり、歌詞にその人の世界観が上手に表れると引き込まれるよね。
あと、この人歌詞の一人称は「僕」を使ってる時が多いよね。
女の人が一人称が男の曲を歌うっていうのは今じゃ珍しくないけど、秋元康がそれを広めたっていう説があるらしい。確かにAKBとか大体一人称「僕」だよな。
はっぴいえんどとかに影響を受けてるからこういう作風なのかわからないけど、「僕」って歌詞に登場しないときは女性視点なのか?
マグカップが割れたことを自分でもどうでもいいって思っているのにわざわざ報告したい男の人ってあんまいないように思うけど。
前作よりもパワーアップしていてこれからが楽しみなカネコアヤノ。
邦楽で楽しみなものが増えるのは中々無いからうれしいね。